映画「トゥ・ザ・ワンダー」@サロンシネマ

”フランス語”を前にして、世界最強のはずの”英語”が
惨敗を喫しています!


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映画「トゥ・ザ・ワンダー」
(2012年、アメリカ、原題「To the Wonder」)

ひと目で恋に落ちた男女、だけど、
ロマンチックで甘い時間は長くは続かないもの。
ふたりの関係が、恋から愛へ熟成されないまま、
破綻に向かう様を、輪郭のない
あいまいな雰囲気の映像とともに描いている作品です。

始まりがあるようで、無いような、
結末があるようで、無いような、
観終えた直後は、まったりした秋の午後のような気分。
かなりのツウ好みの映画と拝見しました。

さて、舞台はアメリカ。アメリカ人の彼は英語、
フランスから来た彼女はフランス語。
ふたりでちゃんとした会話をしているシーンが
ほとんど登場しません。
ふたりの会話の内容なんてどうでもいいじゃないか、という徹底ぶり。

会話のない状況で、恋を語らせたらフランス語の独擅場(どくせんじょう)。
心の内を語る彼女のフランス語が、圧倒的存在感を放っています。

一方、彼は寡黙な人柄という設定もあり、英語そのものの存在が
なきに等しい存在。

しかも、彼の幼なじみというアメリカ人女性が登場し、
ひとときの恋の時間を過ごすのですが、どうもしっくりきません。
フランス語が絶対的に支配している”この映画”の世界においては、
女性がどんなにうるうるした目で
"I love you."とつぶやいても、
" I want to be your wife."と耳元でささやいてみても、
ビジネスシーンの業務連絡に聞こえるから不思議です。

異なる言語をひとつの空間に並列させたとき、
その場の雰囲気を支配する言語が存在する、
という驚愕(wonder)の事実。
まさか、映画の題名は、
そんなところからきてるわけじゃないですよね?

あね

広島ブログ
by 3f-company | 2013-08-30 08:00 | 映画
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