カテゴリ:映画( 179 )

映画「ドリーム」@八丁座

バールを振り回して毒づくケビン・コスナー。
今年度の"理想の上司"は、彼で決まりでしょう。



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原題:「Hidden Figures」(隠された人たち)
(2016年、アメリカ)

黒人女性たちが、仕事にプライベートに頑張るお話(実話)です。



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と言うと、今どき珍しくもない"女子お仕事系映画"ですが、舞台は人種差別が当然のようにまかり通る1960年代のアメリカ。トイレは別、公共施設の入口は別、図書館の本棚は別、今まで知らなかった現実に愕然としてしまいました。

ところが、彼女たちはガッツで乗り切ります。壁にぶつかりながらも、押してだめなら引いてみろ、それでもだめなら壊してみろの勢い。常に先を見据えた行動ができる勇気ある女性たちだったのでした。



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(茂木さん、すごくいいこと言ってる)


ちなみに、主人公のキャリアを陰ながらサポートする上司、NASAの本部長という役どころのケビン・コスナー。長く適役がなく残念に思っていましたが、さりげなく部下思いを醸し出すこういう役どころはぴったり。改めてハリウッドの層の厚を感じた次第です。



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(センスの良さが感じられる衣装もよかった)

あね
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by 3f-company | 2017-10-10 06:00 | 映画

映画「ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち」@DVD

リアルなミッションインポッシブル!


おじいちゃん、かっこい~い!


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当時29歳だったイギリス人、ニコラス・ウィントンさんが単独で成功させた人道支援、"児童輸送"の顛末とその後を描いた作品です。


1938年、ヒトラーの蛮行が迫るチェコスロバキアで、「せめてわが子だけでも助かって欲しい」と願う親心と、異国の地で高まる良心「せめて子どもたちだけでも助けてあげたい」。この2つを、人並み外れた実行力でコーディネート。669人の子どもをホロコーストから救ったという実話です。


当時、ユダヤ人の子どもたちを疎開させる活動は、"キンダー トランスポート(児童輸送)"と呼ばれ、公的組織も活発に動いていたようですが、何の後ろだてもなく、ツテもない状況でこの規模のミッションを成功させたのは彼ただ一人。


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ドイツ軍の侵攻が進み、タイムリミットの開戦が目前に迫る中、計画を立ててから、ミッション完了までわすか数ヶ月。パスポートの偽造を「手続きを早めるだけで、違法ではない」と言い切る度胸。


また、ナチスから送り込まれた美女スパイについても「スパイは美女に決まってる、不細工なスパイなんていない」と色っぽいエピソードさえあっさり認めるいさぎよさ。しかも、逆に彼女を利用してミッションのひとつを遂行させてしまったという、トム・クルーズのお株を奪うほどのすご腕。


それもそのはず。彼は世界大恐慌の際、株の売買で大儲けをした仲介人だったというキャリアを知って納得。最悪な状況でも利益を出す商才を人道支援に使えば怖いものなしです。


しかも、この事実が世に知られたのはそれから50年経ってから、と言うエピソードにはまたまたびっくり。自身の体験を、過去の話だから と誰にも語らず過ごせるなんて、神様並みにすごい人です。


この映画の魅力的なところは、ただ彼の偉業を称えるだけでなく、その良い行いが さざ波のように広がっていくいく様子を、すっかりいいおじいちゃんになったウィントンさんとともに静かに見守るというクロージングになっているところ。


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自分も良い人になりたい、と素直に思った映画でした。


あね




by 3f-company | 2017-09-24 06:00 | 映画

映画「胸騒ぎのシチリア」@DVD

ハイブランドの衣装がゴージャス!これ目当てで見ても損はなし。

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映画「太陽は知っている」(1969)のリメイクだそうですが、アラン・ドロン世代ではないので、どちらがどうとかはよくわかりません。

セレブ御用達のリゾート地で繰り広げられる、ジリジリとした大人の恋愛模様。
映像美に徹した作品で、イライラさせられる中盤とか、モヤモヤとした終わり方とか、いずれも映画好きにはたまりませんでした。

ちなみに、主人公がまとう衣装はディオール。
非日常的舞台にぴったりで うっとり。

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あね
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by 3f-company | 2017-09-18 06:00 | 映画

映画「ローマ法王になる日まで」@八丁座

思った以上にヘビーな社会派映画でした。



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原題:「Chiamatemi Francesco - Il Papa della gente」
(2015年、イタリア)

邦題のとおり、現ローマ教皇が「ローマ法王になる日まで」を描いた作品です。

時は1970年代、フランシスコ教皇がまだ本名のベルゴリオと呼ばれていた頃、アルゼンチンは独裁的軍事政権下にありました。理由なき一般市民さえも捕らえられ、拷問に。あるいは生きたまま上空から突き落とされるような時代です。

神学校の院長として、政権におもねるのか、人道支援を行うのか。微妙な立場で苦悩しながらも、信念に従って粛々と仕事を続ける姿がありました。



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コンクラーベ中の宿泊代金を自分で支払いに行ったとか。
代々純金仕様だった"法王の指輪"をメッキに変更したとか。

就任当初からそんなエピソードを多く耳にしていたため、素朴な庶民派として認識していましたが、なにがなにが。生きるか死ぬかというスレスレのところを切り抜けてきた、非常にハードボイルドな背景をお持ちのお方でした。



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(フランシスコ教皇)


いろいろ知らなくてすみません、と深く恥じ入った次第です。

あね



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映画「ローマ法王になる日まで」は
7月22日から28日までの一週間、八丁座で上映されました。
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by 3f-company | 2017-08-27 06:00 | 映画

映画「マイビューティフル ガーデン」@サロンシネマ

"ガーデン"は味付け程度。
タイトルだって、ほらこのとおり。



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原題:「This Beautiful Fantastic」
("この美しき風変わり")
(2016年、イギリス)

植物は大の苦手、という主人公。放ったらかしにしていた家の庭が、借家の契約違反に当たるという警告を受けてしまいます。このままでは強制退去、彼女に与えられた猶予は1ヶ月。荒れ放題の庭を、検査の日までにきれいに整えることができるのでしょうか?



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お庭に名を借りた主人公の成長物語。こんなお話が現実にあってもいいんじゃない?いや、むしろあって欲しい!と切望してしまうほど、笑って泣いて、心がぽっ と暖かくなる素敵な作品でした。

あね

8月19日から9月1日までサロンシネマで上映。
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by 3f-company | 2017-08-23 06:00 | 映画

パンフレットにさえハマる@映画「人生フルーツ」

ー まだ観てないの?
ー 早く行かないと、もう終わるよ
ー 建築家のハナシだよ?

いろんな人から いろいろ言われつつ、ようやく行って参りました。



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映画「人生フルーツ」(2016年)
製作:東海テレビ
ナレーション:樹木希林

広島 横川シネマで驚異のロングランを続けている話題作。
今さら申し上げることは何もありません。



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(「津端修一さん90歳、英子さん87歳
 風と雑木林と建築家夫婦の物語」)

かく言う私、この映画が好き過ぎて、ただ今
「なんもいえねぇ」
状態なのであります。

ちなみに、ドキュメンタリー作品にしては珍しく、売店にてパンフレットの販売があり、鑑賞後感激覚めやらずのまま買って帰ったところ、これがまたまたすばらしく、熟読に熟読を重ねてハマりにハマっております。



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(フジモリ先生もご寄稿されています)

あね



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映画「人生フルーツ」は8月12日から
八丁座にて上映中。
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by 3f-company | 2017-08-19 06:00 | 映画

映画「おとなの恋の測り方」@サロンシネマ

主人公の"変顔"に大爆笑!!
キレイな女性(限定)の持ちネタにお勧めです。



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原題「UN HOMME Á LA HAUTEUR」
(2016年、フランス)

バツイチ女性がようやく出会えた"王子さま"。
職業良し、性格良し、運動神経良し。
なのにどうして?彼は136cmという低身長だったのでした。
見た目が大事?それとも中味?
心揺れる主人公の葛藤を描くロマンチックラブストーリー。

背が低いというコンプレックスを乗り越えているようで、乗り越えきれていない彼の側のモヤモヤとした心情も多々織り込まれ、悩み多き人間らしさが感じられて親近感がわきました。
方やグダグダかと思われた彼の息子が、ビシーッと言ってのけたシーンには胸に迫るものがあり。「ちゃんといい息子に育ってますよ、お父さん」という心境。油断していた私は、うっかり じーんときてしまいました。

ところで、主人公を演じるキュートなヴィルジニー・エフィラは、フランスでただ今人気急増中のコメディエンヌとのこと。そして、前述の変顔のタイトルは「美容整形」。思い当たるいくつかを思い出して大爆笑。

さらに、この直後に鑑賞した映画の主演女優さんの顔を見た瞬間、このシーンを思い出して再び大爆笑。周囲にお座りだった皆さま、挙動不審で失礼しました。

ちなみにエンディングの舞台は、建築家として活躍する彼の仕事場である建築現場。主人公が決死の覚悟で彼に対面する ここ一番の見せ所です。現場カントクの立場から見ると、いわゆる"清水の舞台"に出くわしたら、どうするか?

月並みですが、安全を確認したあとは、見て見ぬ振りがエチケットですね。

あね



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8月12日からサロンシネマで上映中。
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by 3f-company | 2017-08-17 06:00 | 映画

映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」@イオンシネマ広島

十字架を背負って生きる人間のリアルな姿。
主演のケイシー・アフレックがオスカーを手にした納得の作品です。



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映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
(2016年、アメリカ
原題:「Manchester by the Sea」(*))

(*)マンチェスター・バイ・ザ・シー(Manchester-by-the-Sea)
:ボストンから車で1時間半のところにあるアメリカ北東部の港町。

兄の危篤の連絡を受け、故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってきた主人公。死に目に会えなかった主人公に兄は"残された家の維持管理と息子の後見人になること"という遺言をのこしていました。それは暗に、故郷に戻って来いという弟へのメッセージ。

ところが、主人公は故郷に戻り住むには辛すぎる壮絶な過去があり、それは地元の人間なら誰もが知る所。現在住まいを構えるボストンに兄の息子を引き取ろうとします。方や、ガールフレンドのいる学生生活を満喫したい16歳のおいっ子は、いままでどおりこの街に残ることを切望。

おじとおいっこ。肉親を亡くしたもの同士 彼らの落ち着きどころは?



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主人公の"壮絶な過去"が想像以上に壮絶すぎて、愕然とします。
かと言って、ただ暗いだけでないクスっと笑えるシーンもあり。
全体的にはオーケストラの静かな奏と相まって、内省感の強い作品という印象を受けました。

ちなみに、主演のケイシー・アフレックはベン・アフレックの弟。



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(授賞の瞬間、アフレック兄弟)


同じ映画の世界に身を置きながらも、これまで陰の薄かった弟が壇上でスピーチする様子を誇らしい眼差しでみつめるお兄さんの姿は、なにかとお騒がせだった今年の授賞式で、一番心あたたまる場面でした。



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あね
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広島ブログ
by 3f-company | 2017-05-28 06:00 | 映画

映画「美女と野獣」(字幕版)@サロンシネマ

ー え~?行かんよ~

女子高生の姪っ子から衝撃的なスルー発言。逆に興味がわいて行ってきました。



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映画「美女と野獣」
(2017年、アメリカ、
原題:「Beauty and the Beast」
字幕:松浦美奈)

1991年に公開されたディズニーアニメの実写版。魔女の呪で野獣に姿を変えられた王子と、村で少々浮いた存在の女の子が出会うファンタジックラブストーリーです。

意外な演出が散在していて、夢みる女の子以外お断りではなく、大胆に間口を広げている印象もあり。主題歌も含め、何よりこのタイミングでリメイクすることで、今の空気感が存分に味わえるように作られています。

例えて言うなら、長く続いているラーメン屋さんは、お客さんに気づかれないように少しずつ味を今風にリニューアルしているとは、よく聞かれること。おそらく、前回作った1991年版では対象世代の感覚にはすでにフィットせず、それもあって彼女の「行かない、興味ない」発言になったものと思われます。

名作も またしかり。気づかれないように味付けを変えることで、"100年語り継がれる"永遠の存在であり続けていくのだと改めて認識した次第。



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莫大な製作費(広告宣伝費含む)が かかったであろうことは素人目にも明らか。なぜ今リメイク?というネガティブな声を ものともしなかったディズニーの英断に、脱帽です。

あね



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東急ハンズ広島店8階、サロンシネマにて4月21日から上映。

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広島ブログ
by 3f-company | 2017-05-10 06:00 | 映画

映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」@八丁座

超一級役者、勢揃い。
それがこの作品の説得力。



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映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」
(2015年、イギリス、
原題:「EYE IN THE SKY(天空の目)」
字幕:松浦美奈)

テロリスト殺害の軍事作戦、標的は4人。ドローンからミサイルを発射する直前、ターゲットとなる建物の外で、パンを売るひとりの女の子を発見。彼女が巻き添え被害にあう確率が非常に高いことが判明します。テロリストたちは着々と自爆テロの準備をしており、このまま彼らを取り逃がしたくない軍の判断はGO。一方の政府高官たちは、想定される国民の非難と保身のため判断を渋ります。テロを阻止するため女の子ひとりの犠牲をやむなしとするのか?女の子を守るためにテロに巻き込まれる大勢の犠牲者に目をつぶるのか?究極の選択を前に、刻々と迫るタイムリミット。はたして結末は。



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登場人物それぞれで1本ずつ作品が出来るのではないかと思うほど、皆が異なる人生背景を持ち、違う考えを持つ人間だと解釈できるようにうまく作られています。これはヘレン・ミレンをはじめ、出演者の脚本の読み込みが相当なものとうかがえました。それゆえ、この問いに正解はなく、いま現実に起きていることを客観的に受け止めつつ、妥当と思われる点に軟着陸させるプロセスを通して、自分なりの解釈をするように投げかけられているような気がしました。

「軍人が戦争の代償を知らないなどと言ってはいけない」

というアラン・リックマン演じる国防副参謀長の激白は、ぬるい場所で自分の正論を振りかざしている自分に向けられたようで、場内が明るくなるまで、しばし打ちのめされておりました。今思えば「トップガン」の世界とはほど遠く、隔世の感あり。さらに言えば、湾岸戦争の中継映像を見たとき以上のインパクトで、戦争の形式が変わったのだという認識を改めて得る機会となりました。

ちなみに、これがアラン・リックマン最後の作品。そういう意味でも非常に感慨深いものがあり、しばらくはこの作品の余韻にひたることになりそうです。



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八丁座にて4月22日から1日1回、1週間の限定上映。

あね
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広島ブログ
by 3f-company | 2017-04-25 06:00 | 映画